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和包丁、適材適所、餅は餅屋




ある研ぎ日にお客様が刺身用の柳刃包丁を持って来ました。

刃渡り27センチくらいの柳刃で、長い間しまっていた為に錆、刃欠けが何か所かありました。

お預かりして研ぎ、お渡ししたら研ぎあがりに満足して頂いたようで、笑顔でこう言いました。


「嬉しい!これでスイカが楽に切れます」


私は包丁研ぎをしているのである程度の種類の包丁を知っていますが、お客様は何種類もの包丁を使う事はあまりありません。


文化包丁、菜切り包丁、ペティナイフ、パン切り包丁

お魚を捌く方は出刃包丁、柳刃包丁


一般的に使われているのはこの6種類くらいでしょうか。


和包丁は使用目的に合わせて数多くの種類があります。

見ただけではその包丁が何を切る用に造られたのかわかりにくいものもあります。

切れる物を切る、でも間違いではありませんが、極端にその包丁の用途から外れてしまうと包丁を破損したり使っている方が怪我をする場合があります。


柳刃を持って来たお客様には

「この包丁はお刺身のような柔らかい物を切る為だけに造られた包丁なので、スイカのように硬い物を切ると刃が欠けますのでお刺身専用にご使用ください。」

と説明しました。

お客様はスイカが切れないとのことで少し落胆していました。

私は続けてこう伝えました。


「スイカには使えませんが、こちらはお刺身専用に造られた包丁なので、お刺身の柵を買ってきてこれで切ってみてください。切り分けられた状態で売っているお刺身に比べて、段違いに美味しくなりますよ。」


人間も包丁も同じように、その性質や特性に合った場所でこそ100%の真価を発揮できます。


あの後、お客様がお刺身をあの柳刃で切る事があったら、スイカが切れない落胆を凌ぐ喜びを感じていただけたのではないかと思っています。


とは言うものの「ワンチャンすいか行ってみようかな」とかなってたりして…とも思ってたりもします。😅


スイカの画像がこれしかありませんでした。

暑くなってきたので冷麺を作りましたが色々乗せすぎて麺が行方不明(笑)

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