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1に包丁、2に〇〇〇、3は…

以前にも書きましたが、包丁を研いでいるとお客様によく


「切れ味はどのくらい持ちますか?」

「次はいつ持ってきたらいいですか?」


と聞かれる事があります。

質問される中で一番多いかもしれません。

そんな時はざっくりとこう説明します。


包丁の刃の持ちに関して3つの事が影響します。


まず第一に包丁の元々のグレードです。

良い包丁なら長く持ちますし、まぁまぁならそれなりに、百均の包丁なら朝研いでも夜には切れ味が落ちると思います。


そして第二にまな板の硬さがあります。

包丁に当たる物で一番硬い物はまな板です。

そのまな板に1日で何100回と刃先がぶつかるわけです。

当然、硬いまな板を使えば切れ味が落ちるのも早く、柔らかめのまな板を使えば、硬いものよりも刃が長持ちします。


そして第三は研ぎ師の腕です。

その包丁とお客様に合った砥石を選び、刃の角度などを考えながら研ぐ事で、その包丁の元々持っているポテンシャルを最大限に活かす事ができます。


先日この第二の事を確認できるエピソードがありました。

お客様がご家族の包丁を持って来られてこう言いました。


「私と娘は同じ包丁を持っていて、こちらで同じ日に研ぎました。なのに、娘の包丁は切れなくなって、私のはまだ切れるんです」


確認したところお客様は木のまな板、ご家族は木ではないまな板でした。

勿論料理の頻度や量、切る食材も違うとは思うので一概には言えませんが。


そしてお客様と私は「まな板って大事」という話でひとしきり盛り上がり、私からご家族の方へ伝言をお願いしました。


「次にまな板を買い替える時には”やわらかい”と書いてあるものを選んでください」



ちなみにきらら工房店頭でもまな板を販売していますが、木のまな板は今は販売していません。

ネコヤナギのまな板を以前は置いていたんですが、その会社が閉業したので違う木のまな板を置かないととは思っていますが、あれ以上いい物がなかなかなくて何となく欠品のままでいます。


木以外の樹脂系のまな板では三洋化成のエラストマーの抗菌まな板を置いています。

ラバーよりも軽くて柔らかい刃当たりで、私以外の家族はこちらを使っています。


もしも包丁の刃が当たった時にカツカツと硬い音がするまな板をお使いでしたら、次回買い替えの時の候補に入れていただけると嬉しいです。



そろそろこのまな板も削らないとかな。


※包丁は池田辰男(堺正行)本焼き文化包丁

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