以前少しどこかで書いたような気がしますが、先日もまた同じ事があったので再度書きます。
他の包丁研ぎのお店で「この包丁は寿命だから研げないし使えない、買い替えるしかない」と言われて「ダメだとは思うけど捨てられなくて…本当にもうダメですか?」と来られた方がいました。
拝見したところまだ全然問題なく研げるし使える包丁でした。
いつも通りにしっかりと研いでお渡ししてお客様には大変喜んで頂きました。
実はこのような事が少なくない頻度であります。
包丁に関してお客様は詳しい事がわからないので、研ぎ屋に言われたことを信じるしかありません。
他の研ぎ屋にもう使えないと言われて、やむを得ず包丁を捨てた方もいると思います。
同じ包丁研ぎを仕事にしている者として、とても残念で腹立たしいです。
何故ならその包丁はまだ使える包丁だったからです。
その包丁研ぎ屋がまだ使える包丁を「この包丁は寿命だ」と答えるのには、いくつか理由があると思います。
①自分が研げない包丁(技術や設備がない)
②自分の店に置いている包丁を買って欲しい(営利第一主義)
③本当に寿命であると判断した(知識不足)
この中できらら工房でも該当する場合があります。
①の場合がたまにですがあります。
きらら工房で使用している研削機は研削力が低い物を使用している為、あまりに酷い変形などの場合は対応できな事があります。
その場合は「きらら工房ではできませんが、他の研ぎ屋では研ぐことができます」と答え、堺伝匠館の情報を伝えます。
堺伝匠館は伝統工芸士の研師達が毎週末に包丁の研ぎ直しをしているので、技術に関しては最高峰と言えます。(勿論設備も申し分ないです)
ちなみに、下記の場合は本当に寿命だったり、使用するには危険なので継続使用に関してお客様にはっきりとお伝えしています。
・包丁に大きなひびが入っている。
・包丁が修正出来ないくらいに歪んでいる。
・焼きが入っている(切れる)部分が研ぎ減ってしまって無くなっている。
・柄の中が錆びで朽ち果ててしまっており、新しい柄を着ける事が出来ない、例え着けても安全に使えない。
・その他にも安全に使えないと判断できる場合
他の店で「寿命です」と言われたがその見立てに少しでも疑問がある場合は、是非その包丁をきらら工房にお持ちください。
研ぐ研がないは問いません。
本当に使えなくなった包丁なのか、言うなればセカンドオピニオンをします。
きらら工房は包丁と包丁研ぎが大好きで始めた仕事です。
大切な包丁に関して自分の知識が少しでも皆様のお役に立てたるなら幸いです。
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