包丁すずなりプロジェクト
- kira2kb
- 2024年10月27日
- 読了時間: 3分
更新日:2024年12月27日
今年1月1日に起きた能登半島地震、そして9月の豪雨被害の災害ボランティアとして、春から5回能登に行きました。
甚大な被害により家族を亡くし、知り合いを亡くし、家を無くし、仕事を無くし、復興どころか復旧すらままならない場所が未だに多くあります。
被災された方が言っていました。
「能登は見捨てられている」
私は復興に直接的に関与できる災害ボランティアをしていますが、他に何かできる事はないか考えました。
包丁研ぎを生業としている私にできる事、そう考えて現地で毎回包丁研ぎのボランティアもしています。
先が見通せない大変な毎日の中では、包丁が切れる事などほんの些細な事です。
ですが、せめてその一瞬だけでも気持ちが軽くなっていただけたら、そう願いながら毎回研いでいます。
5月には知り合いの協力により、鋼の包丁12本を被災された方(被災者向けのお弁当を作っていた料理人の方々や地域の方々)に寄付しました。
家や店が崩壊したために包丁を取り出す事ができなかった方もおられ、大変喜んでいただきました。
その時の料理人の方々が中心となり、珠洲市に9月プレハブ建てのお店ができました。
「すずなり食堂」と、テイクアウトお弁当専門の「すずキッチン」の二軒です。
10月に私が訪れた際には、すずなり食堂に地元の方が次々に来店し、知り合い同士で近況を報告しあったり、楽しく話をする姿がたくさん見られて地域コミュニティの場としての役割も担っていました。
すずキッチンでは地域の方だけでなく、県外から来ている工事事業者やボランティアの人達も利用できるようにと、朝の2時から仕込みを始めて5時には沢山の種類のお弁当を店頭に並べていました。(私も滞在中何度もお世話になりました)
その2軒の店舗では働いている方々が自宅から包丁を持ち寄って調理をしています。
今回、そこで使用するステンレスの包丁を贈りたいと小さなプロジェクトを立ち上げました。
皆様からの寄付などにより包丁を購入し、私が本刃付け(新品を研ぐ事でより切れる状態にする)をして現地の方に贈る「包丁すずなりプロジェクト」です。
近日中にはきらら工房店頭に募金箱を設置します。
企業の方からの寄付も歓迎です。
包丁すずなりプロジェクトは小さな小さなプロジェクトですが、被災された方が包丁を握るほんの一瞬でも楽しいと思ってもらえるよう、その包丁で作られた故郷の美味しい食事を通して、被災された方がまた一歩前に進める力をもらえるよう、そして遠く離れていても多くの人が能登の復興を願っている事を伝えられたらと思っています。


日中のボランティア活動の疲れを
美味しい食事で癒してもらいました

能登の海の幸のつまった福幸丼
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