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初めての鋼の包丁


私は子供の頃から料理が好きで、小学生の頃には1人で台所に立っていました。

日曜日の早朝に起きて冷蔵庫の食材を見てメニューを考える。

まだ寝ている家族を起こして、オーダーを取り起きる時間を聞く。

起きる時間ピッタリに合わせて熱々の朝ごはんを作り、起きてこなければ無理矢理起こす(笑)


その後大人になっても料理好きは変わらず、毎週のように家で料理をして友達を呼んで宅飲みをしていました。


大量に作って残ったご飯はみんなに持ち帰ってもらっていたので、友人のお母さん達からちょっとした人気者でした。

気のきくお母さんはうちでの飲み会に行くと聞くとタッパーを持たせたりして。(笑)


そんな友人のお母さんの1人がある日包丁をプレゼントしてくれました。

西宮にある「ずぼらや」という金物屋の割り込み包丁。


それまで私はスーパーやホームセンターの安いステンレスの包丁を買って、それが切れなくなれば捨ててまた新しく買って、を繰り返していました。

包丁が研げる事を知らず、包丁は消耗品、そして何より切れる包丁の存在を知りませんでした。


そんな私が鋼の包丁を初めて使った時の衝撃は物凄いものでした。

それは例えるなら太陽が西から昇るくらいの衝撃。

「えっっ?!」

「ええーーーーーっっ?!」

みたいな。

包丁がただ「切れる」だけですが、その感動は今でも忘れません。


それが20年以上前の話。


あれからすごく時が経ったような気もするし、昨日の事のようでもあり、不思議な気持ちになります。


包丁をプレゼントしてくれた友人のお母さんは2020年11月に亡くなりました。

私が包丁研ぎを仕事として始めたのが2022年1月。

墓前で手を合わせて、包丁研ぎを始めた報告と、私の人生に切れる包丁で好きな料理が出来る喜びを与えてくれた事への感謝を伝えました。


ちなみにこのお母さん、私が出来心で初めて造った味噌を「私が探してたのはこの味噌よ!!」って大絶賛してくれて、私の人生に味噌造りと言う楽しみも与えてくれました。


次に関西に行くのは4月の堺刃物祭りの時。

包丁研ぎでは毎回嬉しいことや楽しいことがあるので、それをたくさん集めてまた墓前で報告しようと思っています。🙂

最近使ってなかったけど、こう見ると少し刃が厚いので今度研ぎ直して刃を薄めよう。

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