店頭で欠けた包丁を見て何を切ったかお客様に確認すると、だいたいこの中のどれかに該当します。
① 凍った物、半解凍の物
鋼の包丁に多いのですが、凍っていたり半解凍の物を切って欠けた、と言うトラブルがあります。
同じ硬さの物であったら温度の低い物の方が欠けやすいという金属の性質があります。
② 骨
鰯などの柔らかい骨なら大丈夫な事が多いですが、鯛などの硬い骨を切れば当然欠ける可能性があります。
③ カボチャ
丸のまんまのカボチャを切る時も要注意です。
一発でスパっと切れればいいですが、途中で止まってしまった時に包丁をこじる(左右に動かす)と欠ける事があります。
④ 種
桃やアボカド等の種にコツンと当たって欠ける事があります。
⑤ ハード系のパン
ちょっとした硬いパンであれば大丈夫ですが、ガチガチに硬いフランスパン等は割と盲点です。
硬いフランスパンは凶器、魔が差して気軽に切らないようにしてください。(笑)
包丁に対して侵襲の大きい食材を書きましたが、いくら包丁の為とは言えこれらを一生食べない、と言う訳にはいきません。
ではどうしたら良いのかと言うと「専用の包丁を使う」と言うのが理想です。
専用の包丁と言うのは必ずしも冷凍の物⇒冷凍包丁、骨⇒出刃包丁やクレバーナイフ等、と言うのではありません。(勿論それがベストですが)
安いステンレスの包丁を一本用意して(と言っても刃がペラペラの薄すぎる物は不向きです)、それを硬い物専用に使うと言うことです。
その場合は切れ味を求めて刃先を薄くする研ぎ方ではなく、欠けない事を重視した研ぎ方にしなければなりません。
その様に研いで欲しい場合は、研ぐ前に声をかけて頂けたらその様に研ぐ事ができます。
以前お客様で「硬い物を切る用にします」と店頭で販売している中古包丁を購入された方がおられました。
その際は刃先を欠けにくい仕様にさっと修正して渡しました。
このようにメインの包丁とは別に、ちょっとラフに扱ってもいい「二軍包丁」を持っていると、料理の時に気を使う必要がなくなり楽になるのでお勧めです。
そして二軍の活躍により、一軍の包丁の寿命も延びて快適に使えます。
何なら一軍を切れ味に特化した研ぎ方にして、毎日キレッキレの切れ味を楽しむ事もできたりします。
画像は私の二軍包丁達です。
昔買った包丁や中古の中から選んだ包丁など、この画像以外にも二軍包丁が何本もあります。
一軍の包丁と合わせると人生×20回くらいしないと使いきれない本数に……
人によって何を贅沢と思うかは色々だと思いますが、その日の気分で、メニューで、食材で包丁を選んで使う事が私にとっての一番贅沢な時間です。
二軍包丁から始める贅沢包丁沼に私と一緒にはまってみませんか?
※怪しい宗教ではありません(笑)
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